幸せな島―新しい生き方とは

島に移住しました。島の生活とそこから学んだ生き方について。

困っている人がいたら?―田舎の答え―

「困っている人がいたら?―都会人の答え―」(2021-10-26)の続きですが、単独でも読めます。

倒れている人がいても都会の人は関わらないようにすることが多いのに対して、田舎の人はもちろん助けると思います。自分がどこの誰かということは周囲の人に分かっているので、まさか素通りできないでしょう。都会では自分がどこの誰かということがわからないので、素通りしても特に責められることはなさそうです。

そういう意味では田舎の人の方が親切です。しかし、だからこそ、それがマイナス方向に振れることもあります。自分がどこの誰かが周囲の人にわかっているということは、別の見方をすれば「監視されている」「プライバシーがない」というようにも見えるからです。

田舎から都会に出る人の多くは「田舎は人の生活に立ち入りすぎるから嫌だ」といいます。そう言えば、子どもの頃、隣のおばちゃんは「おってか~?(いらっしゃいますか? の方言)」と言いながら裏口から入ってきていましたね。あまりプライバシーが尊重されているとは言えなかったようです。

言い換えれば、田舎の方が人間関係が濃いということになります。濃い人間関係が煩わしいから都会に出る人がいるわけだし、濃い故に人間関係のトラブルが多くなりがちです。

2013年に山口県の寒村で連続殺人が起きましたが、これも人間関係のトラブルが発端でした。この事件を聞いて「都会のリスクは孤独死、田舎のリスクは人間関係のトラブル」という意味のことを言った人がいましたが、うまく言ったものです。

都会では困っている人を見ても(たいていは)関わらない、田舎は関わる(助ける)。どちらにも「良いところ」と悪いところがあるようです(続)。

 

 

 

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松濤園裏